【完】校内1のイケメンに恋をした!! 2


「でも、真由ちゃんも真由ちゃんだよね。
たかがキスでそんな悩む?」

「…っ……」


ズキン


予想もしてなかった言葉に、心臓が大きく鳴る。

…たかが、って…私にとったら凄く大切なモノだけど、大雅さんからしたら、意味の無いちっぽけなモノなのかな…?




「…大雅、そんな言い方するな」

「だって本当のことじゃん。
心配してここに来たのにさ、“そんなことで?”って感じ」


ズキン ズキン ズキン....

…大雅さんらしい。と言えば大雅さんらしいかもしれないセリフ。
だけど今は、そんな風に言われたくなかった…。


「……あの。迷惑かけて、ごめんなさい」


…涙が溢れそうになるのを必死で堪え、深く深く頭を下げる。


「…色々話したら、スッキリしました。
キスされたくらいで泣くなんて、やっぱり変ですよねぇ」


頭を下げたまま、精一杯の笑顔を作る。

泣いちゃダメ…二人の前で、泣いちゃダメ…。




「もう大丈夫です。ほんと、ごめんなさい」


…顔を上げ、精一杯の笑顔のまま二人を見る。


もう帰って。
早く…これ以上、ここに居ないで…。




「…んじゃ、俺帰るから。
あぁこんなところから入っちゃってごめんね?」

「…いえ、大丈夫です」

「じゃあ、おやすみ」

「……おやすみなさい」


…いつもと変わらない雰囲気のまま、大雅さんは同じ窓から出ていった。

< 50 / 95 >

この作品をシェア

pagetop