【完】校内1のイケメンに恋をした!! 2
「でも、真由ちゃんも真由ちゃんだよね。
たかがキスでそんな悩む?」
「…っ……」
ズキン
予想もしてなかった言葉に、心臓が大きく鳴る。
…たかが、って…私にとったら凄く大切なモノだけど、大雅さんからしたら、意味の無いちっぽけなモノなのかな…?
「…大雅、そんな言い方するな」
「だって本当のことじゃん。
心配してここに来たのにさ、“そんなことで?”って感じ」
ズキン ズキン ズキン....
…大雅さんらしい。と言えば大雅さんらしいかもしれないセリフ。
だけど今は、そんな風に言われたくなかった…。
「……あの。迷惑かけて、ごめんなさい」
…涙が溢れそうになるのを必死で堪え、深く深く頭を下げる。
「…色々話したら、スッキリしました。
キスされたくらいで泣くなんて、やっぱり変ですよねぇ」
頭を下げたまま、精一杯の笑顔を作る。
泣いちゃダメ…二人の前で、泣いちゃダメ…。
「もう大丈夫です。ほんと、ごめんなさい」
…顔を上げ、精一杯の笑顔のまま二人を見る。
もう帰って。
早く…これ以上、ここに居ないで…。
「…んじゃ、俺帰るから。
あぁこんなところから入っちゃってごめんね?」
「…いえ、大丈夫です」
「じゃあ、おやすみ」
「……おやすみなさい」
…いつもと変わらない雰囲気のまま、大雅さんは同じ窓から出ていった。