【完】校内1のイケメンに恋をした!! 2
この状態を変えるなんて、そんなの、どうすればいいか全然…――。
「そのまま放っときなよ」
――…え?
「朔ちゃんが“今”を選んだんだから、キミが悩む必要なんてない」
たいが、さん…。
「どうしてここに…?」
「あぁごめん、忘れ物したから戻ってきたんだ。
で、見てたらまた一人で悩んでるし?
ほんと、真由ちゃんって面倒な子だよなぁ」
………。
「…面倒なら、何も聞かなかったフリして声をかければいいじゃないですか」
「それも考えたけど、俺お節介だから」
…大雅さんは子供みたいにニッと笑って、そしてテーブルに置きっぱなしになってた携帯をポケットにしまった。
その後…、さっきの朔也さんに似た曖昧な笑みで私を見る。
「朔ちゃんも“このままじゃダメだ”って思ってるよ。
最近、かなり不安定だからね」
「………」
「まぁあの人は秀才で頭の回転も速いし、そのうち自己解決するっしょ。
だから放っときな? それにキミが手ぇ出したら、朔ちゃんはもっと辛くなる」
…私が手を出したら、朔也さんはもっと辛くなる…。
「…私にはやっぱり、何も出来ないんでしょうか?」
「うん、何も出来ない」
う…即答…。
「キミは今まで通り龍輝と居ればいい。
そして、アイツとも今までみたいに笑顔で話せばいい」
「…でも…」
「大丈夫」
そう笑った大雅さんが、私の髪をそっと撫でた。
「キミが笑顔で居てくれないと朔也は辛いんだよ。
それに俺も…、」
と言いかけ、ふっと息を吐いた大雅さん。
静かに手を離し、いつもと同じように笑う。
「…俺もさぁ、ダチがそんな風に辛くなってんのを見たくないんだよね。
だから、“何かしたい”って思うなら、キミは今のままここに居て?
それでじゅうぶんだから」
そう言った後、大雅さんは「もう行くね」と手を振って部屋を出ていった。