【完】校内1のイケメンに恋をした!! 2
二人の花火大会
――……。
……。
数日後。
モヤモヤは消えないままだったけど、私たちはまたみんなで集まっていた。
でも今日は龍輝さんの部屋じゃなくて、混雑する駅前に集合していた。
理由は簡単で…、
「せっかくの花火大会なのにさぁ、なんで真由ちゃんは浴衣じゃないの?」
…今日は近くの河川敷で花火大会が行われるから、それを見るために私たちは駅前に来ていた。
「あはは…ごめんなさい、すっかり忘れてました」
花火大会って言ったら、やっぱり浴衣だよね…。
でも残念ながら、すっかり忘れてました。
んー、龍輝さんが居ないからって気が抜けてるのかも…。
「大雅さーん、私の浴衣じゃ不満?」
と、浴衣の袖をひらひらさせて笑う優ちゃん。
優ちゃんってば、やっぱり何着ても似合うなぁ…。
隣に居る健吾さんも、まばたきするのを忘れるほどに見とれてる。
だけど大雅さんは…、
「んー、馬子にも衣装?」
…なんて答えるから、優ちゃんと健吾さんからのチョップを食らってしまった。
まぁ、それでも大雅さんは楽しそうに笑ってるけどね。
「んじゃ、そろそろ行こっか!!」
大雅さんの声にみんなが動き出す。
花火が打ち上げられるのはまだまだ先だけど、駅は既に会場へ向かう人でいっぱいだ。
私たちもその人たちと同じように構内を進んで、電車に乗る。