レミリアの一夜物語
出されたお茶とお菓子に、ネイトは未だに口をつけられないでいた。
案内された、床と柱と天井だけの小さな神殿。真ん中にはイスと机が置いてある。柱よりも外は、ずっと砂漠が広がっていた。
ここは砂漠だが、今まで暮らしていた世界とは確かに違う、神々の世界だった。
そこの食べ物を口にしてしまうことで、元の世界に帰ることができなくなる。
それは未だにネイトが自分の決断を迷っていることの表れであり、そして未練だった。
帰りたい。そう思いつつも帰れないという諦めもある。
神々の世界から元の世界に帰る方法は知らないし、仮に帰れたとしてもネイトの居場所はもうどこにもないのだ。
この世界に来てから、ネイトはレシェフのことばかり考えていた。
不思議と、その1年のことばかりが頭に浮かんできて、その他のことは完全に忘れ去っていた。
家族、なのだと思った。
憎まれていても、私が慕っているからなんとか繋がっている家族だと。
完全に一方通行だったその繋がりも、私が断ち切った。
そしてふと思った。
私にとってレシェフは家族だ。だけど、どういう風に思っていたのだったか、と。
レシェフにとって私は憎い存在だったのだろう。だけど、本当にそれだけだったのかな、と。
家族であっても、私の位置はどこにあったのだろう。
案内された、床と柱と天井だけの小さな神殿。真ん中にはイスと机が置いてある。柱よりも外は、ずっと砂漠が広がっていた。
ここは砂漠だが、今まで暮らしていた世界とは確かに違う、神々の世界だった。
そこの食べ物を口にしてしまうことで、元の世界に帰ることができなくなる。
それは未だにネイトが自分の決断を迷っていることの表れであり、そして未練だった。
帰りたい。そう思いつつも帰れないという諦めもある。
神々の世界から元の世界に帰る方法は知らないし、仮に帰れたとしてもネイトの居場所はもうどこにもないのだ。
この世界に来てから、ネイトはレシェフのことばかり考えていた。
不思議と、その1年のことばかりが頭に浮かんできて、その他のことは完全に忘れ去っていた。
家族、なのだと思った。
憎まれていても、私が慕っているからなんとか繋がっている家族だと。
完全に一方通行だったその繋がりも、私が断ち切った。
そしてふと思った。
私にとってレシェフは家族だ。だけど、どういう風に思っていたのだったか、と。
レシェフにとって私は憎い存在だったのだろう。だけど、本当にそれだけだったのかな、と。
家族であっても、私の位置はどこにあったのだろう。