レミリアの一夜物語
陽が完全に沈み、緋色の時間が終わった頃、ネイトは声を聴いた。
それは神々の世界に届く唯一の声。
そしてそれは神にお伺いをたてる声だった。
さらに、それに重なるように、聞こえた声があった。
ネイトの耳元にささやく声。
いつか聞いた優しい声だった。
「レシェフ……?」
『どうしてまた1人なんだ。どうしてまだその世界に馴染もうとしない?お前は、お前自身は何を望む?どこで生きたいと望むんだ。お前の魔法で、望むものを呼べばいい』
それは今までに数度しか与えられたことのない声。
それでもいつも聞いていた声だった。
ネイトは未だにどこか凍っていた心が溶けていくのを感じた。
1人はいやだ。知らないところに知らない人のところに連れまわされるのはいやだ。何も望めないなんて嘘だ。私は……私は、いつだって呼べたはずなのに、それでもいつも何も呼ぼうとしなかった。だけど、自分の気持ちを知らないフリをするのはもうたくさんだ。
帰りたい。できることならずっと一緒にいたい。おはようって起こしてくれて、おやすみって言って隣で寝てほしい。そして、そしてできることなら……いつも私がいってらっしゃいって言うんじゃなくて、私におかえりと言ってほしい。
ネイトは泣きそうになって声が震えるのを必死に抑えこみながら、ただ1人を想って歌い続けた。
それは神々の世界に届く唯一の声。
そしてそれは神にお伺いをたてる声だった。
さらに、それに重なるように、聞こえた声があった。
ネイトの耳元にささやく声。
いつか聞いた優しい声だった。
「レシェフ……?」
『どうしてまた1人なんだ。どうしてまだその世界に馴染もうとしない?お前は、お前自身は何を望む?どこで生きたいと望むんだ。お前の魔法で、望むものを呼べばいい』
それは今までに数度しか与えられたことのない声。
それでもいつも聞いていた声だった。
ネイトは未だにどこか凍っていた心が溶けていくのを感じた。
1人はいやだ。知らないところに知らない人のところに連れまわされるのはいやだ。何も望めないなんて嘘だ。私は……私は、いつだって呼べたはずなのに、それでもいつも何も呼ぼうとしなかった。だけど、自分の気持ちを知らないフリをするのはもうたくさんだ。
帰りたい。できることならずっと一緒にいたい。おはようって起こしてくれて、おやすみって言って隣で寝てほしい。そして、そしてできることなら……いつも私がいってらっしゃいって言うんじゃなくて、私におかえりと言ってほしい。
ネイトは泣きそうになって声が震えるのを必死に抑えこみながら、ただ1人を想って歌い続けた。