R〇B〇T…?
「はい。これからよろしくお願いします」
そう言って表情を変えず、ユカがペこりと頭を下げてきた。
「……これからよろしくって、なにが……」
「ユカちゃんを家で雇うことにしたんだ。行くあてが無いそうなんでな」
ちょうど修理が終わった親父が、道具を片付けながら、ハテナを浮かべていた俺に言った。
「…は!?なんだよそいつ、拾いもんだったのかよ!」
「そいつではありません」
間髪入れずに突っ込まれたが、無視した。
行く当てがないのはきっと、このロボットは捨てられたからだ。
この街にはそういうロボットは少なくない。
きっと人間と区別がつかずに気づかないだけで、その辺に歩いてるだろう。
実際、うちにいるロボットにも、親父が拾って修理したロボットがいたりする。
「本当にありがとうございます。こんな私を雇ってくださって……」
「俺はいやだそ!こんな生意気でムカつく奴なんか!」
「ユカです」
今度も間髪をいれずにユカがそういう。
またそれがムカつく。
「生意気なのはお前だろうハルト!ユカちゃん、どうかハルトのことよろしく頼むよ」
「はい。精一杯頑張らせていただきます」