酒神様
「おはようございます」
会社に汗を垂らしながらつく。スキンヘッドにして後悔したことは汗が頭からダラダラ垂れてくることだ
定時は5時、必要なのかどうなのかよくわからない会議。社長に確認してもらう資料を片付けて今日も習慣的に足を向ける
「オヤジいつもの」
「前田さん、いい加減良い人作ったら」
昨日と全く同じセリフを浴びせられながら木のベンチに座る。
いつもと違うのは今日は金曜日だってのに人が少ない
珍しいこともあるもんだ
「ところでオヤジ、あの物体は一体なんさね」
「そう、ソレを話す為に今日は知ってる奴らにしか屋台をやることを教えなかったんだ」
それは、ここに腰掛けている冴えない白髪混じりの男と若い感じの男は
知っているということか
共通点はまるでない。しいていうなら全員スーツってことだけ
「アイツは酒の神様っすよ神様!」
ほろ酔いな感じの顔をした若い男がいう
「確かになぁー……」
しみじみと同意して
酒をのみながら遠くを見る白髪混じりの男
俺はますます意味がわからなくなった
「その、酒の神様ってもしかしたら白くてふわふわとんで?」
「よく知ってんね!今度はおっさんのとこか!」
「アイツ、ふわふわ。ふらふら。いなくなるんだよなぁ」
今日はなんか変だ。お酒が飲みたくてたまらない 酒神様のせいなのかなんなのか
俺は元、持ち主だった若い男と白髪混じりの男の話を聞いた後も家にかえって1人で再び飲んだ
「わかったー?」
「うおっ!?」