エンドレス
恋心
その次の日から 違うな

その瞬間からあたしの頭の中は
[池尻 駿]
という固有名詞で埋めつくされたのだ

寝ても覚めても池尻くん

あの切れ長の二重の瞳…
筋の通った高い鼻…冷たそうな薄い唇…緑なす漆黒の髪…
透き通るような白い肌…

みんなみんな キレイで 美しくて…
背もスラッとたかいんだよね

あぁ あの腕に抱きしめられたら…

そう思うだけで気絶しそうにドキドキしちゃう…

授業中でも気がついたら 池尻くんを目で追ってる!

あっ こっち見た!

あたしは急いで視線をそらせた…

こら!麻里 しっかりしろ! 今は授業中でしょ!

受験 受験 高校受かんないよ!

でもず~と 見つめていたい…かな…?
いや いけない 今は勉強!

な~んて事を毎日くり返した…

家に帰ってもやっぱり頭の中は
[池尻くん] で

ち~とも勉強に身が入らない…

困ったな…

どうしよう…?

その時 携帯が鳴った…

綾からだ!

あたしはボタンを押した

綾「もしもし 麻里? 今 部屋?」

あたし「うん あたしの部屋だよ
こんな時間にかけてくるなんてどうしたの?
いつもはデートでしょ?」

綾「うふふ…」

あたし「なっ 何よ!気色悪い…?」

綾「池尻く~ん」

あたし「えっ!何よ急に?
池尻くんがどうしたの?」

綾「バーカ わたくしの目は誤魔化せないのよ 麻里!
あ・ん・た が池尻君に恋しちゃってるのなんてお見通しよ!」
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