始まりはあなたの奏でる音。
屋上の重たい扉を開く。
差し込む光が眩しくて一瞬目がくらむ。

♪~♪~♪~

この音…ベース?
すごく心地いい音だな…。
昨日聞いた慎哉くんの音もきれいだったけど…この音も…

………

「……ちゃん。…めちゃん。結愛ちゃん。」
「………ん。」
「あ、起きた?」

目を開けると視界いっぱいに慎哉くんの顔が見えた。

…夢?
夢なら普段出来ないことしちゃえ!

そう思った私は慎哉くんに抱きついた。
そうすると、慎哉くんも抱きかえしてくれた。

あったかい…。
なんか…やけにリアルな夢だな。

「結愛ちゃんって大胆だね。」
「ふぇ?」

夢…じゃ、ない?
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