始まりはあなたの奏でる音。
「おい!慎哉!結愛困ってんだろ!」
「結愛ちゃん?」
「今おまえが抱きついてる子だ。」
「あー…この子か。なーんかこの子いー匂いするから眠くなってきたや。」

慎哉と呼ばれた人は私の肩に顔を埋めてクンクン匂いだした。
私の位置からその人の顔は見えなくて、困って姫の顔を見ると…姫は口パクで「よかったね」って言っている。
私は、さらに訳がわからなくなり困惑の表情を浮かべていると、一真くんが私の後ろにまわり、その人の腕を掴み私の前に連れてきた。

「え。」
「初めまして。結愛ちゃん♪でも…初めましてじゃないよね?」
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