魔王更生物語　-させてみせます、その男！-
職員室の扉を軽くノックしてからスライドさせる。ガラガラ、と音を立てて扉があいて、そこから私は控えめに声をかけた。


「すみませーん…転入してきた遠野ですけど…」


「ん？ああ、それじゃあ南先生のクラスだ。南先生、生徒来ましたよ」


「はい！あっ、貴方が遠野さんね。私は貴方のクラスの担任、南かおるって言います、よろしく」


明るい雰囲気の先生だ。私はテンプレの笑顔を貼り付けた。


「遠野、時雨です。よろしくお願いします」


「それじゃあ、教室に行きましょうか」


「はい、南センセ」


南センセに連れられて、私はクラスまでの廊下を歩いた。ちらほら見た覚えのある場所が
ある、あれデジャヴ。


「緊張してる？」


「あまり。どっちかって言うと、わくわくしてますね」


「そう、よかった！担任としても早くクラスに馴染めることを願っているわね」


「ありがとう御座います」


そんな会話をしているうちに、南センセはピタリと足を止めた。ここよ、と３－１のプレートを指さす。


「それじゃあ、呼んだら入ってきてね」


「了解です！」


「いい返事。じゃあ、私は行くわね」


閉じられた扉の奥から、南センセの元気な声が響いてくる。しばらく話をしたあと、入ってきてー、とお呼びがかかった。
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