わたあめ系彼氏。
「…そこ、危ないから俺のとこおいで?」
固まってる私にそう言った彼の目に、吸い込まれるように私の身体はフェンスから遠ざかって、彼の元へと歩き出していた。
“おいで”
ずっと独りだった私は、この言葉を誰かに言ってもらえるのを待っていたのかもしれない。
「…――ぅ、ふぇっ…」
気づいたら涙が流れていた。
本当は、本当はずっと泣きたかった。
辛くて、苦しくて、ずっとずっと泣きたかった。