わたあめ系彼氏。


開いた口がふさがらない。

彼は私の反応を、それは楽しそうに見ていた。



「彼女って言っても、“役”だから」

「“役”…?」


「そうっ」と私の前でまたにこりと笑顔を作ると、話を続ける。


「俺、好きな子いるんだけど色んな女子が俺につきまとってきて、全く話しすらできなくて。正直だるいからさ。彼女がいれば近づいてこないっしょ」


彼は軽く頭を掻きながら俯いた。
“女除け”の存在か。


「でも、その子に勘違いされちゃうよ?」
「それは大丈夫。」


好きな子にはきっちり“彼女役”だと伝えると言うのが彼の考えらしい。

でも、私なんかでいいのかな…



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