Mail
知りたがり
相も変わらず三月の朝は寒い。
本当なら、あたしは今日、先輩方の卒業式に出ているはずだ。
でも今のあたしには関係のない話だ。
特に親しい先輩がいるわけでもない。
忘れてしまいたい先輩はいるが……。
「だめだな……。何かしていないと嫌なことを思い出す」
気持ちを切り替え、立ち上がった瞬間メールがきた。
『件名:おはよう 本文:俺今日仕事休みで暇なんです』
「本当にメールきた」
あたしは少しびっくりした。まさか本当にくると思わなかった。
『件名:おはようございます 本文:そんなことあたしに言われても知りません。』
『まさか本当にくると思わなかった?』
『どうしてそう思うんですか』
『何となく。何となくだけど、そんな感じがした』
変な人、そうとしか思えなかった。
でも、それなら、あたしも大概変だ。
『変な人ですね』
『よく言われる』
“詩季”って人がどんな人かわからないが、パソコンの向こうでこの人が笑っているのが目に見えるようだった。
本当なら、あたしは今日、先輩方の卒業式に出ているはずだ。
でも今のあたしには関係のない話だ。
特に親しい先輩がいるわけでもない。
忘れてしまいたい先輩はいるが……。
「だめだな……。何かしていないと嫌なことを思い出す」
気持ちを切り替え、立ち上がった瞬間メールがきた。
『件名:おはよう 本文:俺今日仕事休みで暇なんです』
「本当にメールきた」
あたしは少しびっくりした。まさか本当にくると思わなかった。
『件名:おはようございます 本文:そんなことあたしに言われても知りません。』
『まさか本当にくると思わなかった?』
『どうしてそう思うんですか』
『何となく。何となくだけど、そんな感じがした』
変な人、そうとしか思えなかった。
でも、それなら、あたしも大概変だ。
『変な人ですね』
『よく言われる』
“詩季”って人がどんな人かわからないが、パソコンの向こうでこの人が笑っているのが目に見えるようだった。