意地悪な彼氏
「あとでメアド教えて?」
「いいよいいよー。」
あーなんか高校生活が楽しみになってきた!
先生たちについて体育館の中に入った。
外観は西洋のお城なのに中に入ると普通の新しい体育館でそのギャップに笑ってしまう。
新入生と保護者、来賓などのパイプ椅子があるため広い体育館も狭く感じてしまう。
「はい、そのまま5列になって座れー。」
私たちは言う通りに座った。みんな友達とおしゃべりしている。それを制すようにマイクの前にたった女の人が“ゴホン”と咳払いした。
「ただ今より、平成〜年度新入生、入学式を始めます。」
すでに、前の人が寝ていて吹き出しそうになってしまった。
「ダルいねー。サボりゃあ良かった。」
横にいる莉桜はそうぼやいている。
「まあ、いいじゃんいいじゃん。」
そう、莉桜を宥めると今はちょうど理事長の話だった。
あれが理事長か…。確か、イケメン二人組のうちの1人のおじいさんだったよね。
理事長は、確かに格好良く美形でダンディーだ。とても若々しく見える。
「えーっと、長々はなすの面倒くさいので手短に話します。高校生活楽しめ!はい、終わります。」
一斉にみんなが笑い出した。理事長がこんなんで良いのだろうか…。