意地悪な彼氏
「次は、新入生代表挨拶です。代表の生徒はステージへどうぞ。」
『きゃー!!』
代表の生徒がステージに上がった瞬間みんなが歓声を上げた。
「…ん。?え?何事?」
隣で寝かぶっていた莉桜が、うるさすぎる歓声のせいで起きた。
「桜…開に…いた……。」
もう挨拶を始めているようだが、うるさすぎるため聞こえない。
「うわぁ、相変わらずすごい人気だわ…。」
そう、莉桜がステージに向かって呟いた。
切れ長な目に整った眉。無造作に整えられた茶色い髪に薄い唇はピンク色。長身でスタイルが良い。
ポーカーフェイスでクールな感じで、嫌味なほどのいちゃもんつけるとこが全くない超イケメン。
「相変わらずって?」
「あいつと同中なのよ、私。中学の頃からすごい人気でさ。ま、もう1人いるんだけどね。あいつは蓮光寺潤。よく言えばクール。口が悪くて冷たい。寄ってくる女を容赦なくフるの。超冷たい。あ、ちなみにもう一人は柳悠っていってものすごい女ったらし。」
へー。モテるのにもったいないなぁ。
「平成…月…新入…表…蓮光…ん。」
ものすごい歓声のせいでほぼ内容は聞こえなっかったが、どうやら終わったようだ。終始不機嫌な表情のまま、蓮光寺君は舞台を降りた。