意地悪な彼氏




食べ終わると、2つ違いの同じ学校に通うことになるお兄ちゃん遥斗(はると)と今年中学3年になる弟の大翔(ひろと)が階段を降りてきた。すると、突然…



「おはよー!胡桃ー!もう行っちゃうのか、会えなくなるなんてお兄ちゃん寂しいぞ!うぅー胡桃ー。」



と言ってきつく抱きついてきた。



「はるどぉ゛、ぐるぢー。」



「おぉ、ごめん。あまりにも胡桃との別れが悲しくて我を失っていた。」



もう、シスコンなんだから。そんなきつく抱きつかれたら苦しいに決まってるじゃん。



「キャハハハハハハ!遥斗君、本当シスコンだなぁ。てゆーか、同じ学校なんだからいつでも会えるでしょう?」



「そうだけど…胡桃が、学校ではあんまり話しかけないでって。うぅ。胡桃がなんと言おうと話しかけてやる!」



遥斗みたいなシスコン兄貴がいるとなると、みんなに引かれかねない。学校ではあまり話さないのが得策だろう。でも遥斗のことだ、こういう風に言うと思った。



私は、“はいはい”と言って遥斗を宥めた。




< 3 / 56 >

この作品をシェア

pagetop