意地悪な彼氏
「それにしてもやるよな〜。ほぼ初対面なのに入学初日からクラスみんなで集まるとか。」
「だね〜。いつの間にか計画したんだろ…。」
柳君と結衣の2人が話している。私はやっぱり蓮光寺君が睨んでる気がして喋れないけど…。
私、嫌われてるのかな。なんかしたっけ?
「あー、なんか中村っていういかにもムードメーカーっぽいやつが呼びかけてたぞ。」
「へぇ〜。」
結衣と柳君の後ろに私と蓮光寺君が並んで歩いている。
「おい、お前俺のこと怖がってないか?」
「へ?そ、そ、そんなことないですよ。」
突然話しかけられて…ていうか初めて話してどもってしかも敬語で喋ってしまった。
「完璧怖がってるだろ。何でだ?」
言っちゃって良いのかな…。私の勘違いかもしれないし。言っちゃってみようかな。
「寮に向かうとき、なんか私のこと睨んでる気がして…。」
やっぱり怖い…。今はポーカーフェイスだけど…。
「あ、俺今日コンタクト忘れててその時つけてなくて顔見ようとするとき無意識に顔しかめてた。でも、今はつけてるから。悪かったな、怖がらせて。」
そう言って、微笑んだ。
蓮光寺君が…笑った。この人笑わないのかと思ってた。見てるときはいつも不機嫌な顔かポーカーフェイスだし…。
「おい、どうした?」
思わず見惚れてボーっとしてしまった。危ない危ない。