意地悪な彼氏
やっと、シスコン遥斗から解放された私は朝食を食べてる大翔の方を見た。
低血圧の大翔はなんだか機嫌が悪そうだ。
「なーにー?お姉ちゃんがいなくなるのが寂しくて拗ねてんのー?」
と、大翔をからかってやると大翔が冷たい目でこちらを見てきた。
「は?お前頭大丈夫?むしろせいせいするくらいだよ。いつもうるさい胡桃がいなくなってくれてな。」
反抗期真っ只中の大翔は口が悪い。年上なのにお前とか呼び捨てで呼ばれている私はどれだけ舐められているのだろうか。
「お前、胡桃になんてひどいこと言ってるんだよ!大翔も素直になれ!なぁ?胡桃?」
「はいはい。もう2人とも喧嘩しないのー。早くご飯食べちゃいなさい。」
こんな2人だが、ルックスは抜群で学校ではものすごくモテている。私はなんでこんなシスコン兄と生意気な弟がモテるのか分からないのだが。
「じゃあ、そろそろ行ってくるよ。」
「あら、そう?待って。お見送りするわね。」
遥斗とお母さんが玄関の前までお見送りにきてくれた。
遥斗は同じ学校なのだけれど、在校生は午後から始業式らしい。ま、遥斗は入学式でも出なきゃいけないらしいけど次の電車で来るようだ。