意地悪な彼氏
「お、バカ胡桃じゃーん。」
いきなり憎まれ口を叩きやがったこいつは、私の幼なじみで天敵。
「あらー、香澄ちゃん。どうしたの?胡桃を追ってこの学校にきたのかしらー?。」
ニヤニヤしながら結衣が香澄に聞いている。
「な、な、何言ってるんだよっ!俺はただここがサッカー強いって聞いたから来ただけだ!」
「ふーん?」
私の中学校生活はこいつのせいで台無しになったと言っても過言ではない。
中学生のとき、こんな私を好きになってくれた人がいた。でもそんな噂が流れた途端、香澄が裏から手を回して私に手を出せないようにした。
あいつは、あれで学年のリーダーってやつでドデカい情報網を持ってるからそれからも私を好きって人が現れるとその人に攻撃した。
だから、友枝胡桃に恋したら椎野木香澄率いる取り巻きにシメられるって噂が流れた。
そのせいで、私の学校生活は恋愛のれの字もなかったのだ。
挙げ句の果てには、好きでも付き合ってもいないのに夫婦と呼ばれ香澄が休むと旦那はどうした?などと言われる始末。
しかも、一番厄介なのは家が隣でこいつが誰もが納得するイケメンだから一緒に登校するだけで嫌がらせされることだ。