泡沫眼角-ウタカタメカド-

「なんだ青羽(アオバ)、話してみろ」

「は、」


そう進み出たのは、二人を連れてきたうちの一番年上らしい男。

――確か…変な語尾だったような


「自分たちは、この二人が炯斗と接触しているのを見たと言ったもんですが、それだけじゃありやせん」

「何?」


するともう一人進み出て、


「兄貴の言うとおりなンです、若。しばらく炯斗に黒をつけたところ、代理と会ってたンです」

「間違いないか、呉羽(クレハ)! 黒羽!」

「「はい!」」


結局は揃って頷く三人。
やっぱり兄弟なのか、顔立ちがよく似ている。
三人目の黒羽とやらは言乃たちとあまり変わらないように見えた。


「何なんだ? じゃあ炯斗は香田といるってのか!?」


身を乗り出して、畳を拳で打った。

「いや……そこまでは…」

奏は僅かな間、眉を寄せて考え込むとハッとして叫んだ。

「誰か!! チャカの状態見てこい!!」


すぐさま何人かが襖を開いていき、しばらく。

激しい足音で戻ると、咳き込むように言った。


「チャカが……二挺消えてます!!」


< 113 / 267 >

この作品をシェア

pagetop