泡沫眼角-ウタカタメカド-
「なんだ青羽(アオバ)、話してみろ」
「は、」
そう進み出たのは、二人を連れてきたうちの一番年上らしい男。
――確か…変な語尾だったような
「自分たちは、この二人が炯斗と接触しているのを見たと言ったもんですが、それだけじゃありやせん」
「何?」
するともう一人進み出て、
「兄貴の言うとおりなンです、若。しばらく炯斗に黒をつけたところ、代理と会ってたンです」
「間違いないか、呉羽(クレハ)! 黒羽!」
「「はい!」」
結局は揃って頷く三人。
やっぱり兄弟なのか、顔立ちがよく似ている。
三人目の黒羽とやらは言乃たちとあまり変わらないように見えた。
「何なんだ? じゃあ炯斗は香田といるってのか!?」
身を乗り出して、畳を拳で打った。
「いや……そこまでは…」
奏は僅かな間、眉を寄せて考え込むとハッとして叫んだ。
「誰か!! チャカの状態見てこい!!」
すぐさま何人かが襖を開いていき、しばらく。
激しい足音で戻ると、咳き込むように言った。
「チャカが……二挺消えてます!!」