泡沫眼角-ウタカタメカド-

現で

* * *

朋恵と高橋が頭を悩ませている頃、言乃と恵は駅前のコーヒーショップに来ていた。

言乃から、話があると呼び出されたのだ。
今日の言乃は、普段の携帯ではなく例のタブレットを持ってきている。


まだ肌寒いこの頃、季節のオススメの飲み物を持って奥の二人掛けの席に落ち着いた。


「それでことのん、話って?」

昨日、あんなことがあったばかり。
それなりの内容だろうと覚悟していた恵は先に切り出した。


「炯斗に関係あるの?」

僅かな確信を持って尋ねると、言乃はしっかりと頷いた。

でも、どこか辛そうに見える。


【単刀直入に言いますと、ケイトくんの命が危ないです】

「えぇっ!?」


恵は慌てて口を押さえた。

「ご、ごめん」


――に、しても予想の斜め上過ぎるよ!!

【ごめんなさい。そんなに驚くとは思ってませんでした】

「普通だよ! 驚くよ!」

友達の命が危ないって言われたんだから。
もう、とため息。


「どういうことなの?」


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