泡沫眼角-ウタカタメカド-
3人目と4人目
方針の有り様をまざまざと思い知らされることになった四人はすぐさま署を出た。
「手分けするぞ! 俺たちは坂本の方へいく!」
「分かった! 私たちは黒井の方で。何かあればすぐ連絡頂戴!」
「分かった。そっちもな!!」
突然息の合い始める親子。
その姿に高橋と川井は入り口に突っ立って、顎の骨を外すばかり。
「「何やってんだ(の)!! 早く!!」」
「「は、はい!!」」
なんだ。
高橋は小さく笑みを浮かべた。
お二人とも、やればできるじゃないですか。
「急げっつってんのがわかんないの!!」
「あたっ!」
早速頭に平手を食らいながら朋恵が捕まえたタクシーに乗り込む。
振り向くと、反対方向に狸翠たちが乗った車が去って行く。
この親子がタッグを組んだら、凄いかもしれない…!!
不謹慎で申し訳ないことこの上ないが、高橋の胸はある種の期待に高鳴っていた。
「何をニヤニヤしてんのよ」
「いえ、何でもありませんよ」
変なの、と訝しげな視線を、窓の外に移し朋恵は小さく鼻を鳴らした。