泡沫眼角-ウタカタメカド-
黒羽は目を伏せて、皿の中でスプーンをいじくり回す。
「俺もそろそろ、ちゃんとした組員になったっていいはずなのに…まだ、ちゃんと仕事を任せて貰えないんだ」
「…なんで?」
「子供扱いされてんだ、俺」
二人は首を傾げる。
黒羽は残っていたご飯を一気に掻き込むと、一息ついた。
そして、一口水をあおるとゆっくり話始めた。
「中3くらいの頃にさ、親は海外旅行だし、兄貴たちは組のことが忙しくて俺が一人になることがあったんだ。
そこで兄貴たちが組の本部に連れて行ってもらったのが始まりで組でお世話になり始めたんだ。
なんか組もゴタゴタしてたみたいでさ、俺は端にいるか炯斗とつるんでるかくらいしかできなくて……炯斗のが全然組に通じてたんだけどさ。
あいつ全然組に入る気ねえの」
恵と言乃はこっそり顔を見合わせた。
炯斗が組になびかなくて、胸を撫で下ろす。
黒羽は話を続ける。
「そんくらいから、俺もよく出入りするようになったんだけど…そのせいかな、いつまで経ったって俺は小生意気なガキのまんまなんだよ」
「……」
「俺だって、認めて欲しいんだ」
子供だと言われるかもしれないけど、俺にとって、重要な話なんだ。
「そっか…大変なんだね」
恵の言葉に黒羽はハッとして笑顔を作った。
「俺もそろそろ、ちゃんとした組員になったっていいはずなのに…まだ、ちゃんと仕事を任せて貰えないんだ」
「…なんで?」
「子供扱いされてんだ、俺」
二人は首を傾げる。
黒羽は残っていたご飯を一気に掻き込むと、一息ついた。
そして、一口水をあおるとゆっくり話始めた。
「中3くらいの頃にさ、親は海外旅行だし、兄貴たちは組のことが忙しくて俺が一人になることがあったんだ。
そこで兄貴たちが組の本部に連れて行ってもらったのが始まりで組でお世話になり始めたんだ。
なんか組もゴタゴタしてたみたいでさ、俺は端にいるか炯斗とつるんでるかくらいしかできなくて……炯斗のが全然組に通じてたんだけどさ。
あいつ全然組に入る気ねえの」
恵と言乃はこっそり顔を見合わせた。
炯斗が組になびかなくて、胸を撫で下ろす。
黒羽は話を続ける。
「そんくらいから、俺もよく出入りするようになったんだけど…そのせいかな、いつまで経ったって俺は小生意気なガキのまんまなんだよ」
「……」
「俺だって、認めて欲しいんだ」
子供だと言われるかもしれないけど、俺にとって、重要な話なんだ。
「そっか…大変なんだね」
恵の言葉に黒羽はハッとして笑顔を作った。