泡沫眼角-ウタカタメカド-
「……ここ掘れワンワンってか?」
そう言わんばかりに地面からは眩く光が溢れている。
ひたすら歩いた上に穴を掘るとは、
「一人ひっそり重労働…くそー、何で俺はこんなんばっかし…」
口を尖らせ、ブーブー言うも物置に手を伸ばすあたり、何をすべきかはしっかりわかっている炯斗である。
スコップを出して、刺してみた地面は思った以上に柔らかい。
前に掘られたことがある?
――いや、光が見えるってことは何かが埋められてて当然か
思い直して掘り進めると、何か白いものが見えると同時に、何とも言い難い臭いが漂ってきた。
「――っ、!!」
咄嗟に口と鼻を押さえる。
胃からせり上がってきたものを無理矢理元の位置に戻すと、焼けるような喉が涙を浮かばせた。
炯斗はしゃがみ、大きく息を吐き出した。
「……ウッソん…」