泡沫眼角-ウタカタメカド-
「一旦、ここまでにするか」
「え、いいんですか? 見るのやめても」
口はそういうが顔はやめられてうれしいとはっきり語る川井。
若干呆れるが、言わないでおく。
「前の事件はもう他の奴らも見て、わからないという結論が出てる。俺たちが粘ってもかわらんだろう」
「わあ、警部ありがとうございますう!」
──歓喜している川井を放置しておいたらそのまま片づけまでやってくれそうだな…
知らんぷりを決め込んだところに、ドアがノックされた。
「はい?」
「冬沢警部、先ほどの監視カメラの人物が割れました」
狸翠の目の色がすっと変わる。
川井を放置して、薄く開いたドアから滑るようにして廊下に出ると後ろ手で閉めた。
「で、どうだった?」
知らせに来た捜査員は、右手に持った書類の封筒をちょっ、と上げて示す。
「あたりですよ」
その報告にバッチリ目が覚めた狸翠は捜査員を端に連れていく。
捜査員は封筒の口を開け、監視カメラの映像からプリントした写真と書類を出して狸翠に手渡す。
「あいつら、まだ新入りでデータベースには登録されていないんですが、禅在の工作員でした。この写真で任意で連れてくるよう、今動いてます」
「早いね。ありがたい」
手にした書類に、大急ぎで目を走らせていく。
「え、いいんですか? 見るのやめても」
口はそういうが顔はやめられてうれしいとはっきり語る川井。
若干呆れるが、言わないでおく。
「前の事件はもう他の奴らも見て、わからないという結論が出てる。俺たちが粘ってもかわらんだろう」
「わあ、警部ありがとうございますう!」
──歓喜している川井を放置しておいたらそのまま片づけまでやってくれそうだな…
知らんぷりを決め込んだところに、ドアがノックされた。
「はい?」
「冬沢警部、先ほどの監視カメラの人物が割れました」
狸翠の目の色がすっと変わる。
川井を放置して、薄く開いたドアから滑るようにして廊下に出ると後ろ手で閉めた。
「で、どうだった?」
知らせに来た捜査員は、右手に持った書類の封筒をちょっ、と上げて示す。
「あたりですよ」
その報告にバッチリ目が覚めた狸翠は捜査員を端に連れていく。
捜査員は封筒の口を開け、監視カメラの映像からプリントした写真と書類を出して狸翠に手渡す。
「あいつら、まだ新入りでデータベースには登録されていないんですが、禅在の工作員でした。この写真で任意で連れてくるよう、今動いてます」
「早いね。ありがたい」
手にした書類に、大急ぎで目を走らせていく。