泡沫眼角-ウタカタメカド-

一通り文句を投げつけてみたものの…


本当にわかってるのかな?


まっすぐな黒髪をボブくらいの長さに切って、深淵のように暗い黒の瞳から出されるのは、素朴な雰囲気。

清楚って言ってもいいかもしれない。

大人しそうに見えてこんなところに1人で乗り込んだり、意外と行動派だったりすることのん。


怒られてるはずなのに、可愛いお花が飛ぶような笑顔。


怒る気も失せて恵は息を吐き出した。


「もう、今度こういうことがある時は先に言ってね!」

【だから、メールを差し上げたのですが?】

「それは先って言わない! 急にっていうの、急に! 大事なことだから二回言ったよ!」

【はあ】

目をぱちくりさせて、言乃は頷いた。
ホントにわかってるのかな。
字だと余計に分かりにくい。


「1人はダメだよ。変な人に捕まったりしたらどうするの?」

【テープ間際まで連れて行ってくれた怪しい人なら平気でした】

「親切な人も――ってええ!? 怪しい人に連れていかれたの!?」

【はい】

はい、じゃなくて、


「「危ないでしょ!」」

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