泡沫眼角-ウタカタメカド-
集まって見ると、トシオは何かを手に震えていた。
「どうしたの?」
「こ……ことのんへのプレゼントが……」
「?」
その手にはスマートフォンよりやや大きいタブレット。
画面にはメール入力画面。
まるで言乃の携帯だ。
しかしそれと決定的に一線を画しているのは、そこに入力されている文字。
怪しい文字列が並んでいた。
『
ヒトリメ オワリ
-ファントム-』
「……なんだよ、こりゃあ」
呆然と、炯斗が呟いた。
「昨日までは、こんなものなかったのに!」
トシオも驚いて腰を抜かしている。
【1人目、というのは一体どういう意味でしょうか?】
「終わりってことはもしかして……」
言乃と恵はそっと顔を見合わせた。
同時に同じものを思い浮かべたからだ。
――今朝の駅前で起きた事件が何か関係している?
その時、静かなブレーキ音で車が1台、門の前に到着した。