泡沫眼角-ウタカタメカド-
炯斗は刑事課の小さな部屋に連れて行かれ、バタンと扉は閉められた。
――嫌な予感。
部屋には高橋と朋恵と三人。
雑多で忙しくしていた刑事課は、扉で隔たれ少しも喧騒が聞こえない。
静まった空間に三人きり。
炯斗の緊張も最高潮に達しつつある。
「じゃあ、まず昨夜のことから聞こうかしら? 何故あの場所の近くにいたの?」
「友達と…飲み会に」
「なるほど」
朋恵は淡々と質問を進める。
次々に質問をされる中で、それは静かで何かの前触れのように炯斗には思われて。
「もう、今すぐ帰りてぇぇぇッ!!」
「五月蝿い!!」
――バシッ。
「あたっ!」
いい音で脳天に平手。
黙った炯斗を見て、朋恵は大きく鼻を鳴らした。
「いい? あんたの話をまとめると………
友人と飲み過ぎて外に出たところ、死体を発見。怖くなってその場から逃走。
これでいいわね?」
「その通りです」
頭をじんじんさせられた炯斗はしょんぼり答えた。