泡沫眼角-ウタカタメカド-
「だから、つまりは早期解決にご協力お願いしますってとこよ。
捜査に参加っていうのはナシでね」
言おうとしたら先に言われてしまった。
前回は捜査に(勝手に)混ぜてもらったのに。
内心で文句をたらたらと回していると、さらに高橋が、
「日奈山くん。もともと捜査は一般人に参加させるものじゃないからね?」
諭すように言われてしまった。
「…わかってるッス」
「どうだか」
「そんなにがっついてないし!」
口を尖らせ噛みつくと、ハイハイとあしらわれてしまい、炯斗はしぶしぶ引き下がった。
朋恵は手元のメモを見て初めて表情を和らげた。
「まあ、こんなもんね。協力ありがとう。また何かあったら訊くわ」
「……ああ」
炯斗は組んだ手をじっと見つめた。
ずっと聞きたいことがある。
でも、もし想像が当たっていたとしたら――
そうなってしまうのが怖くて、聞くのが億劫になってしまっていた。
でも、このままでは埒があかない。
炯斗は意を決して口を開いた。
「な、なぁ! 警察は、奏兄ちゃんを疑ってるのか?」