泡沫眼角-ウタカタメカド-
しかし、反応がある訳もなく。
空は裏腹に青く澄みわたっている。
ついでに言えば、雲もない。
何もないイライラが募ってきて、炯斗は手足をバタバタさせてさらに叫んだ。
「もう、飽きたんだよちくしょー!!
景色も変わんねーし!! 出られないしよ! もう丸一日だぞ!
誰かいねーの!?」
一気に使い切って、ゼイゼイ肩を揺らす。
「ことのーん! けーい! とーもちー! 高橋さーん! 奏兄ちゃーん!
ちょっとやだけどトーシオー!!」
………
もう、泣きたい気分だ。
どうして俺だけこんなところにいるんだろう?
みんなはどうしているだろう?
炯斗は再び芝生に寝転んだ。
何もない。
「いつまで経っても太陽は傾かないし、温度変化もない」
寝返りをうち、うつぶせになる。
「切り揃えたばっかりなのに匂いもない。
……やーっぱ、どっか現実味がないんだよな、ここ…なんか、昔のRPG見たいだな」
現状を分析出来るのはここまで、か。
いや、まだ一つ――