つよがり姫に振り回されて
「…わっ分かれ道、だな」
「えっ?あっあぁ…」
気付かぬ間にいつもの分かれ道まで来ていた。
「ゆーじろー、こっちだ」
「あっあぁ…」
初めて踏み入れる道。
別にその辺のと変わらないのに、心臓が騒ぐ。
「…なんかこういうの初めてで、ドキドキするな」
「えっ!?べっべつに…」
「そうか。貴様はそういうのに慣れているんだな」
「別に慣れてなんか…」
いつも一人かへこへこしてくる野郎が勝手に送りに来るくらい。
こんなことしたことなんてなかった。
「そうか?少なくとも、私はいままで誰かと帰ったことなんてないから貴様の方が慣れてると思うぞ」
「梨沙…」
「なっなんだっ。今、寂しいやつだって思っただろ!」
「思ってないし。つか、声デカい」
「…すまん。近所迷惑だな」
「そういう事になるな(笑)罰として、明日の手伝いは来なくてもいいぞ」
「えっ…まっまじか…」
凍りついたように動かなくなった。
「じょっ冗談だ!!」
「…冗談か。貴様のは、冗談に聞こえないぞ」
「ごめんごめん」