つよがり姫に振り回されて
「…着たぞ」

恥ずかしさを振り切ってみんなの前へ。

「…」「…」「…」

絶句かよ。
やっぱ変だったのか?

「…かっかっこいい///」

「やばい、鼻血出そう」

「男の俺でもやばいわ」

そう言って、俺を褒めちぎる。

「どっどっか変なとことかないすかね?」

「全然!」

「ねーねー、『おかえりなさいませ、お嬢様』って言ってみてよ」

「あっ言ってみてよ」

「えっ…」

「いいからいいから」

「…おっおかえりなさいませ、お嬢様」

超棒読み。

「「「きゃーーーーーーー///」」」

黄色い声が響く。

「あたし、今なら死ねるかも」

「ウチも///」

「これなら絶対イケるよ!人手不足は解消されるぜ」

「そうだな」

みんなは喜んでる。
けどさ、俺の身にもなってくれよ…
切実にそう思うが、きっと無駄だろう。

…そういえば、梨沙の姿が見えない。
トイレでも行ったのか?
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