つよがり姫に振り回されて
「梨沙、どうかしたのか?」

「えっ?」

「演劇部の話、いつもなら即答でOKするじゃんか」

「あぁ…まぁ」

「…なんか演劇で嫌な思い出でもあるのか?」

もしそうなら、無理にやらせたくない。

「…違う」

「本当にか?」

「本当だ。…ただ」

「ただ?」

「ヒロインって、主役みたいなもんだろ?そう考えたら緊張してしまってな」

「…えっ」

「なっなんだ!」

「そんなことかよ」

「そんなことって…私には重大な事だ」

「そうだな(笑)」

なんだ、そういうことか。
トラウマとかそんなんじゃないんだな。

「なんで笑う!」

「だって、お前が…緊張って(笑)」

「笑うなぁぁぁ」

「あぁ、ごめんごめん」

「まったくだ。次行くぞ」

「あぁ」
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