つよがり姫に振り回されて
次は美術部。
美術部っていうだけあって、絵とかは心配なくお願いできるだろう。

Σガチャ

「こんにちはぁぁぁぁ!!」

…ほぼデジャヴ。

「「…!?」」

めっちゃ警戒されてるし。

「えっと、コホン。ご主人様、お嬢様方にお願いがありまして、参りました。今年も開催されるミニ夏祭りの件なのですが、ぜひとも皆様のお力を貸していただきたくて…」

さっきとほとんど同じ言い方。
それじゃ伝わらないって…

「梨沙。それは説明になっていない。皆様、申し訳ございません。うちのメイドの者が無礼な事を申しまして、すみません。私ども生徒会と実行委員のものでミニ夏祭りの準備を行っているのですが、人手が足りなくて、なかなか進まないのでございます。そこで、皆様にお手伝い願えないかといった次第でございます」

「「…」」

ダッダメか?

「「「…キャーーーーーーー」」」

叫び声に似た、黄色い声が部室中に響いた。
準備室の数十倍。

「あっあの…」

おとなしそうな美術部員たちが騒ぎ出した。
収拾がつかない…

「みなさん、静かに!!!」

誰かの声が響き渡った。
それと同時に静まり返った。

響き渡った声の主と思われる人が、俺らの方へ。

「あなた方ですね。騒音の原因は」

騒音って…

「そう感じられたのなら申し訳ありません」

「えぇ。…で、美術部に何の用?」

機嫌悪そうな態度。
見下したかのような顔で俺らを見ていた。
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