つよがり姫に振り回されて
生徒会室


「これ、使っていいぞ」

入ってくるなり、渡してきたものは制汗剤とタオルだった。

「…こういう時は、『ご苦労』じゃなくて、えっと…」

ボソボソと何か呟いている。
下を向いてて余計に聞き取れない。

「なんだよ。なんか言いたいことでもあるのか?」

聞いてみた。

「えっ!?あっ…」

驚いた返事。
それに驚く俺。

「なんだよ」

「だっだから…ご苦労、じゃなくて…お疲れ様!!!」

「…?あっあぁ」

少し赤らんだ頬で恥ずかしそうに言われた。
あいつ、熱中症とかになってないだろうな?

「いっいつまでぼーっと突っ立ってるんだ。早く汗を何とかしてこい」

「へーへー」

いつも通りだった。

「んじゃ、遠慮なく。そこの部屋借りるから」

「あぁ」

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