つよがり姫に振り回されて


「貴様はサボるのが好きなようだな」

嫌みったらしく言う梨沙。

「そんなことねぇよ。つか、何?」

「斉藤先輩からの連絡で、『15分ほど休憩してきなよ』と言われたから。まぁ貴様は疲れてなさそうだが」

「そっそうか」

…機嫌が悪い。
さっきまでご機嫌だったのに。
俺、またなんかしたか?
怒らせるようなこと…わかんねぇ。

とりあえず、梨沙が何かに怒ってる。それが俺が原因だということも分かった。
でも何に怒ってるんだ?

「お茶でも飲むか?」

「えっ?あっあぁ」

あからさまに機嫌が悪い。
顔に出てるし…
本人は隠してるつもりなんだろうけど、全然隠せてない。
…かわいい///
って思ってる場合じゃなかった。

とにかく、この空気を何とかしなきゃ。

「あっあ「お茶、できた」

「あっあぁ」

無理だ…
完璧に怒ってる。

Σずずずーーーっ

わざと音を立てながら飲んでいる。
そんなにイラついてるのか?

「りっ梨沙?」

「何よ」

怒ってる…

「あのさ…」

「だから何って言ってるではないか!」

「何怒ってんの?」

「…っ。おっ怒ってなどいない!」

言葉に詰まった。
絶対怒ってる。
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