つよがり姫に振り回されて
…甘ったるい空気。
梨沙の香りとこの空気が融合してる。

梨沙は小さく俯いていた。

「梨沙っ…その…」

声をかけようにも何てかけたらいいのかわからない。
とりあえず、掴んでいた両手を離した。

「あの…さ。考えといてくれないか?今のこと。返事はいつまででも待ってるから」

伝えた。
伝えられたか?

梨沙は小さく頷いた。

「じゃっじゃあ俺、先に戻るから」

俺は言い逃げるように出て行った。
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