つよがり姫に振り回されて
そして今に至る。

「作戦通りね」

「やっぱり仕掛けてたんですね…」

「まぁね(笑)」

「もう慣れましたけど」

「ほらっ、スマイルスマイル!」

無理やり笑わされる。

「じゃあ頑張ってねぇ」

「あっ、梨沙は?」

「会長?会長も浴衣着てるはずだから、すぐに見つかるんじゃない?」

…いや、見つからないだろ。
ミニ夏祭りといえど、夏祭りだ。
浴衣で来る女子の方が多い。
この人ごみで見つかる方が奇跡だろ。

「そうすか」

「なになにぃぃ?二人だけで楽しんじゃう感じ?」

楽しそうに聞いてくる先輩。

「違いますから」

「なぁんだ…」

がっかりされても困るんだけど…

「じゃあしっかりサービスしてきてねぇ」

そういうと先輩はどこかへ行ってしまった。

「…梨沙はそのうちどっかで会うだろ。とりあえず見回りしなきゃな」
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