つよがり姫に振り回されて
「ママ、好きか?」

こくっ。
小さく頷いた。

「そっか。そうだよな。きっとママも心配してると思うぞ」

こくっ。
また小さく頷いた。

「よしっ、お兄ちゃんがママ探してやる。だから一緒に探すの手伝ってくれないか?」

「…うん」

涙声で答えてくれた。

「僕、名前聞いてもいいかな?」

「…そうた」

「『そうた』か。いい名前じゃんか。じゃあ次は泣き止んでみようか。男はそう簡単に泣いちゃダメなんだ」

「そう…なの?」

「あぁ。どうしても我慢できない時だけ泣いていいけど」

あんま人のこと言えないけどな(笑)

「…わかった!!僕、もう泣かない!」

「おぉ、いい子だ。じゃあ探すか。俺とはぐれたら大変だからな。…よっと。これでもう大丈夫だ」

俺はそうたを肩車した。
そうたは嬉しそうにしてる。

「わぁー高い」

「これでママを探せるだろ?」

「うんっ」

こうして、そうたのママ探しが始まった。
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