つよがり姫に振り回されて
「ひっ広瀬!お前何する気だよ!!」
「何って…飛び移る気だけど」
俺はベランダの手すりに足をかけていた。
「それは危ないだろ」
「そんなことねぇよ。木、近いし」
「そういう問題じゃ。普通にいけばいいだろ?」
「そうだよ、広瀬」
「危ないよ、広瀬君」
みんなが口々に言うが、今の俺にその言葉は効かない。
「…よっと」
余裕で木に飛び移れた。
みんなから拍手された。
「お前、俺らをひやひやさせないでくれよ」
「悪いな。じゃ、俺は生徒会を執行してくるから、お前らは安全なところにいろよ。園田、あとは頼んだ」
「あっあぁ…」
俺は木をスルスルと降りて、不良どもの所へ走って行った。