つよがり姫に振り回されて


「大丈夫かよ。…大丈夫だよな。あんだけ上から言ってたんだもんな」

言ってる感じからして平気そうだったしな。

Σぎゅっ

「!?」

いきなり飛びついてきた女は、…すごく震えていた。
さっきまで偉そうに上から言ってたくせに。
なんなんだ、こいつは。

「おっおい!!」

「わっ私は、平気だ。ちょっとびっくりしただけだ」

女はそういうと、俺から離れた。

「お前、名前なんていうんだ?」

「広瀬悠次郎」

「私は横水梨沙だ。明日からこの桜取高校の生徒になる」

「へぇ。それは奇遇だな。俺も明日からそこに通うんだ」

思わず言ってしまった。

「そうか!!そうなのか!!じゃあもう一つ伝えておこう。私は桜取高校の生徒会長だ。よろしくな」

…桜取高校の生徒会長!?

「はぁ!?冗談だろ?」

「冗談なんかじゃないぞ」

「普通新入生が生徒会長になんかなれるわけないだろ」

「それが、なれたんだ。文句言うなよな」

だからこんなに偉そうなのか。
なんか納得出来た。
< 5 / 332 >

この作品をシェア

pagetop