つよがり姫に振り回されて
…そんなことできるわけない。
ただ見てるだけなんて…

「梨沙!!悪いんだけどさ、後で一緒に校長室に行ってくれないか?」

俺にはこれしか能がないから。

「んーー」

察してくれたのか、返事らしきものが返ってきた。

「お前ら、何話してんだΣゴスッ

Σゴスッ
Σゴスッ
Σゴスッ

下っ端野郎共を殲滅。

「…思ったより手応えねぇな」

「てってめぇ!!」

「なんですか、先輩。…まさか、倒しちゃうなんて思ってなかったんじゃないですか?」

少しずつ距離を縮めていく。

「本当は、もう二度とやらないって思ってたんですけどね…」

本当にそう思っていた。
不覚にも梨沙に救われてしまったから。それだけじゃないけど。

「おっお前!!これ以上近付いたら、会長を!!」

「会長、どうにでもしていいですよ?先輩を殴れるなら別に」

距離がどんどん縮まる。

「降参するなら今ですよ。じゃないと、ああなっちゃいます」

倒れてる下っ端野郎を指す。

「フッ…俺をナメないでもらいたいねェ…オリャ!!!」

Σドスッ

「うっ…」

Σバタッ

「やっぱり、そうでもなかった」
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