男恐怖症克服ドキドキ大作戦!?

あの女は!?(side 果穂)

✩あの女は?!
「今日はアリガトね。大輝。色々迷惑かけてびっくりさせてゴメンネ。」
「なんで謝るんだよ。もう受け止めたから平気だ。」
「そっか。ありがとう。」
「あっ!送ってくよ。」
「いいよ・・・。」
「遠慮は無し。ほら行くよ!」
あたしと手を繋いでくれた大輝。
大輝の暖かくて大きい手。
本当に引いてない?
信じてくれた?あたしの体はまだ震えている。
怖くて怖くて、どうすることができない。
大輝と付き合うのは、あくまでも設定だもんね。
あたしの克服のため・・・だよね。
「はい。着いたよ。」
「えっ!もう?」
「うん。お前がボーっとしてるからだろ!」
と言い、あたしのおでこをつついた。
「痛っ・・・ウフフ。じゃあね!」
「じゃあな・・・。」
「うん。」
大輝は向きを変え、帰っていった。
「ねえ!」
「?」
「あ・・のさ、設定だよね。付き合ってるのって。」
あ~!何聞いてんだよ・・・あたし。
「ああ・・。設定」
「そっか・・・。それだけ!じゃあ。」
と言いあたしは、とっさに家の中に入った。
設定だよね。
あたしの克服のためだけだし・・・。

次の日。
「おはよ~!」
知穂が元気に学校に来た。
「おっ!おはよ!元気になったんだ。」
「うん!おかげさまで!昨日、果穂がメールでさ、桜崎くんとデート
したって言うからびっくりしたんだよ~!!どうだったの?」
「うん・・・過去のこと大・・・じゃなくて桜崎君に話した。」
「果穂って、桜崎くんのこと下の名前で呼んでたっけ?」
「違うよ・・桜崎くんに下で呼ぶことって約束されて、それも克服の一つ
って言うから。」
「まあ、克服の一つだね!あっ・・・過去のこと話したんだ。
果穂の過去のことは、あたししか知らないからね・・・。」
「それで、受け止めてくれたんだけど・・・いいのかな?」
「なにが?」
「信じて・・・。あたし、思うんだよね、男を信じられないって
ところは治んない気がする。」
「どうして?」
「どうしても、信じられなくて・・。あたし、最低だよね受け止めてくれて
優しくしてくれてるのに、信じられないなんて。」
「大丈夫!!絶対治るって!あんたが努力すればね!ほら、移動だから行こ!」
「うん。」
そう言って、移動教室へと行った。
移動教室の時は、学校で唯一大きい窓の前を通る。そこから見えるのは大きな庭園であって、ふと、窓の外を見る。
あれ?あの男の子って・・・桜崎君!?
隣の女誰!?
「あっ・・・。」
と、知穂が気づいたみたい。
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