男恐怖症克服ドキドキ大作戦！？

「彼女、いるからって。」
「彼女ってあたしのこと？」
「そうだけど・・・。」
あたしを、彼女って認めてくれてる・・・。
あたしはたまらなく嬉しかった。
でも、その女の人ってどういう人なんだろ・・・
「その女の人はなんて？」
「ムカつくってさ・・。」
あたしたちはしばらく話し込んだ。
すると、
「大輝の女ってあんた！？ずいぶん地味な女ね・・。」
「お前！？なんで！」
あたしを地味子呼ばわりをした女の人は確かに、あの時の人だった。
その女の人は、あたしの近寄ってきた。
「あんたが大輝の彼女？地味な子！！」
と言い、笑う女の人。
「おい、美波！なんでここにいるんだよ！」
美波っていう名前なんだ・・・。
美波という女の人は、男子の中でも有名でモテる女の人らしく、
モデルのようなスラッとした体に足が長くて、少し茶色がかったふわふわの
髪の毛・・。一言で言うと、素敵なモデルさん並だ。
綺麗な人・・・。あたしとは大違いだった。
「だって～、大輝がより戻そって言っても、この地味子ちゃんのせいで、
大輝があたしの目を向けてくれないんだも～ん・・・」
っと、甘ったるい声で大輝に甘えている。
やめて・・・。
なんで、こうなるの？
大輝はどっち？
あたし、それとも美波さん？
あたしはつい言ってしまった。
「やめてください・・・。あたしの彼氏なんです。」
「なあ～に・・？！地味子ちゃんのくせに！」
すると、大輝が怒鳴った。
「果穂を、地味呼ばわれしてんじゃんねーよ！！
もう、俺らは終わったんだよ！何、引きずってんだよ！」
「引きずってなんか・・・。」
あたしは思い切って口を開いた。
「もう・・やめてください・・・。あたしと大輝は設定で
擬似恋愛だから。設定で付き合ってるだけなんです。
ホントは付き合ってなんかいない・・。」
あたしはなんてことを言ってしまったのだろうか・・・。
もう、いいんだよね。
過去も告白して、大輝にいろいろなことを教えてもらったから・・・。
ひとりでも克服できる・・・よね。
そう言ったあたしに、美波さんの顔が変わった。
「な～んだ・・・擬似だったんだ・・・ウフフ、ならより戻してよ、
大輝。もうこんな地味子ちゃんとの恋人ごっこは終わり。
それでいいのよね？地味子ちゃん？？」
なんて答えたらいいの？ねえ、誰か助けて・・・。
あたしと大輝は擬似恋愛・・・ただの設定だもんね。
もう、終わりでいいよね。
「・・・はい。もう、終わりでいいです。さよなら・・」
あたしは、そう言って走り去った。
涙が止まらなくて・・・設定なのに。
あたしと大輝の恋人ごっこはもう終わったんだ。
これで、いいんだ。
また、色々と面倒なことばかり起きて、大輝を困らせるだけだから。
なら、あたしが退ける方がいいよね。
もう、いい。
終わったことだから。