悪魔のようなアナタ【完】
そして5分後。
イヤな予感は的中した。
「だからその写真じゃないって! 社員旅行の写真なんか載せてどうすんの、お前!?」
「……ひぃっ」
「そのミミズがのたうつようなフォント。呪われたエアコンって感じだね」
「……あう……」
「その金額、ゼロが5つも多いよ? 国家予算並みのエアコンなんて誰が買うの?」
「……ぁあ……」
「あー、もう! お前といるとこっちまで脳が腐りそうだ。お前、頭からエチレンガスでも出してんじゃない? どっかで測ってもらったら?」
「……うぅっ……」
――――魔王は健在だった。
パンフは専用の画像編集ソフトで作成するため、前回の資料作成とはかなり勝手が違う。
灯里はあうあう言いながら玲士の指示でパンフの原稿を作っていった。
「じゃああとは、文字の大きさを揃えておいて」
「……」
「明日の昼までにね。できたら見せて。じゃあね」
玲士は一通り操作方法を教えたところで、ヒラヒラと手を振って会議室を出ていく。
灯里はその背が見えなくなった後、机にぐたっと突っ伏した……。