悪魔のようなアナタ【完】



灯里は幼い頃、晃人の家でよく夕飯を御馳走になっていた。

晃人の母は料理好きで灯里が食べたいと言ったものをいろいろ作ってくれた。

晃人は灯里に料理を取り分けてくれたり、零した水を拭いてくれたり……。

まるで本当の兄妹のようにいろいろ面倒を見てくれた。


「懐かしいな……」


大人になった今は一緒にご飯を食べることすら難しい。

ましてや取締役と一社員となってしまった今は一緒にランチなどもっての他だ。

けれどせっかく誘ってくれたなら、久しぶりに行ってみたい気もする。


灯里は手早く『了解』の旨を打ち、ピッと送信した。


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