悪魔のようなアナタ【完】
「灯里……」
晃人は口元に笑みを刻み、再び夜空を見上げた。
恐らくこれは運命なのだろう。
偽りの愛に身を投じるのではなく、真実の愛に目を向けろというメッセージなのかもしれない。
晃人の胸に一つの決意が固まっていく。
――――灯里は誰にも渡さない。
どんなことをしてでも、何を犠牲にしてでも手に入れる……。
夜風が晃人の頬を撫で、吹き過ぎていく。
晃人は右手の指輪を引き抜き、公園の噴水へと投げた。
指輪は街灯の灯りにきらりと光った後、ポチャンという音とともに水の中へと消えていった……。
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