悪魔のようなアナタ【完】
3.まさかの試練
月曜。
出社した灯里は3Fの自席に座り、パソコンを立ち上げた。
パンフのデータはほぼ完成し、明日は印刷所で試し刷りをする予定だ。
なので今日中に最終チェックを行わなければならない。
灯里はサーバに接続し、金曜に保存しておいたデータを探した。
が。
「……あれ?」
灯里は思わず声を上げた。
――――作っていたファイルが、ない。
他の場所を探してみても見当たらない。
灯里は他のサーバに接続し思い当たる場所を探っていたが、次第にその顔が青ざめてくる。
「……ない」
灯里は呆然と呟いた。
マウスを持つ手がブルブルと震える。
一週間かけて作ったデータが……ない。
「うそ――――っ!?」