悪魔のようなアナタ【完】
驚いたように玲士を見る晃人に、玲士はいつもの冷静な視線を投げる。
玲士は晃人を見つめたまま淡々と言った。
「おれが今日中になんとかします。……時間がありませんので失礼します」
玲士は言い、灯里の腕を掴んだ。
驚き目を見開いた灯里の横で素早く一礼し、踵を返す。
「えっ、水澤くん……っ」
「聞いてただろ。時間がないの。行くよ」
玲士はそのまま連行するように灯里を連れて取締役室を出る。
灯里はなす術もなく玲士の後に続いた……。